このページではLinux系VPSサービスのDigitalOcean(デジタルオーシャン)でMetaTrader(メタトレーダー)によるFX自動売買(EA)を稼働させる為の登録・契約方法を画像付きで詳しく紹介しています。
どなたでも分かるように説明していますので是非ご活用頂きたいと思います。
尚、本来MetaTrader(MT4/5)はWindows用に作られています。
そのWindowsで使用するものを設定によってLinux(Ubuntu・Debian)で使用できるようにするので、動作しないEAもあります。
どうしてもランニングコストを抑えたいという方以外はWindows VPSの利用をおススメします。
Linux(Ubuntu・Debian)は設定に30分~1時間を要しますが、Windows VPSは特別な設定が要りませんので特に初心者の方はWindows VPSから始める事をお勧めします。
それでもLinux(Ubuntu・Debian)でメタトレーダーを使いたいという方は続きをご覧ください。
DigitalOcean(デジタルオーシャン)のプラン比較
まず初めにDigitalOceanのプランを紹介します。
項目 | 1GB | 2GB/1コア | 2GB/2コア | 4GB | 8GB |
---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | ||||
時間料金 | $0.009 | $0.018 | $0.027 | $0.036 | $0.071 |
月額料金 | $6 | $12 | $18 | $24 | $48 |
CPU | 1コア | 1コア | 2コア | 2コア | 4コア |
メモリ | 1GB | 2GB | 2GB | 4GB | 8GB |
ディスク (SSD) |
25GB | 50GB | 60GB | 80GB | 160GB |
Ubuntu | 【23.10】【22.04】【20.04】 | ||||
CentOS | 【Stream9】【Stream8】【7】 | ||||
Debian | 【12】【11】【10】 | ||||
リージョン | シンガポール、アムステルダム、フランクフルト、ロンドン、ニューヨーク、 サンフランシスコ、トロント、ベンガルール、シドニー |
※2024年03月05日時点の料金・スペックになります。
最安値プラン(メモリ1GB)だと厳しい
実際に一番安いプラン(メモリ1GB)を試してみましたが厳しそうです。
リモート接続までは問題ありませんが、日本語化している最中、またはMetaTraderインストール中に固まってしまって作業を完了する事ができませんでした。
その後2GBプランで試したところメタトレーダーの稼働まで完了できました。
しかし、2GBプランだと月額$12~になってしまうのでコスパが良くありません。
この金額を出すのであればWindows VPSを使うかもっと安いLinux VPSを使用した方が良いと思います。
ロンドンやニューヨークなどのリージョンを使用したい場合はVultrやLinodeをおすすめします。
2GBプランでメタトレーダーを稼働させた時のシステムモニター画像を載せるので参考にしてください。
※システムモニターを見る限り余裕があるので1GBプランでも行けそうな感じがしますが、海外リージョンの場合はとにかく重くて(遅くて)作業が全く進みません。恐らく日本リージョンがあれば1GBプランでもいけたと思います。
Ubuntu22.04 GNOME 2GB
2024年4月の検証結果
プラン名/OS/GUI | リモート接続 | MetaTrader起動 |
1GBプラン Ubuntu22.04/GNOME・MATE |
〇 | ✕ |
1GBプラン Debian12/GNOME・MATE |
〇 | ✕ |
2GBプラン Ubuntu22.04/GNOME・MATE |
〇 | 〇 |
2GBプラン Debian12/GNOME・MATE |
〇 | 〇 |
時間課金なので使った分だけしか課金されない
DigitalOceanでは時間課金制になっている為、完全に使用した分だけしか課金されないようになっています。(1時間単位で課金されるので1時間未満の使用でも1時間分の料金が課金されます)
月に数日だけしか使わないといった場合や、とりあえず使用感を確かめたいという方にお勧め出来る仕組みになっています。
日本国内のリージョンが無い
VultrやLinodeなどの海外VPSでは東京リージョンが選択できますが、DigitalOceanでは日本のリージョンがありません。
ロンドン・ニューヨークなど海外リージョンは充実していますが、東京リージョンはありませんのでどうしても東京リージョンを使用したい場合は他のVPSサービスを利用した方が良いでしょう。
登録時に本人確認書類の提出が必要
2020年5月以前は提出の必要がありませんでしたが、現在は本人確認書類(画像)を提出しないとDigitalOceanの登録が行えなくなっています。
恐らくボーナスを不正に何度も受け取る人間がいる事への対策ではないかと思いますが、少々面倒な作業が必要になっています。
大事な個人情報ですので、心配な方はDigitalOceanの利用は控えた方が良いかもしれません。
DigitalOceanでは$200のボーナスが貰える
DigitalOceanでは登録が完了すると$200分のボーナスを貰う事が出来ます。
使用期間が60日となっており期限が過ぎると消滅してしまいますが、60日間$200分のお試しが可能になっていますので是非利用してみて下さい。
但し、クレジットカード登録が通らない可能性が高いので、最悪PayPalアカウントを持っていない場合は利用する事が出来ないかもしれません。(当方のクレジットカードはVISAもJCBも通りませんでした)
支払方法の登録完了を持ってボーナスが貰えるので、クレジットカードが通らずPayPalアカウントを持っていない場合はボーナスも貰えません。
この部分だけ事前に把握しておいて下さい。
DigitalOcean(デジタルオーシャン)の登録(契約)方法・手順
まず最初に下記よりDigitalOcean公式サイトを開いて下さい。
DigitalOcean公式サイトを開いたら画面右にあるフォームに必要事項を入力します。
項目 | 説明 |
First Name | 下の名前を半角英字で入力します。 例)Taro |
Email Address | 登録するメールアドレスを入力します。 |
Password | 登録するパスワードを入力します。 |
Sign up with email | 全ての入力が終わったらクリックします。 |
「Sign up with email」をクリックすると下の画面が開くので、登録メールアドレスに届いているメールを確認します。
メールの確認とログイン
登録メールアドレスを開くと件名「Confirm your DigitalOcean account」でメールが届いている筈なので開き、メール本文にあるURLをクリックします。
URLをクリックするとログイン画面が開くと思うので、先ほど登録したメールアドレスとパスワードを使ってログインして下さい。
次に確認コードの認証画面が開くので登録メールアドレスに届く確認コードを貼り付けて「Verify Code」をクリックして下さい。
支払方法の設定
続いて支払方法の設定を行ないますが、DigitalOceanではクレジットカードによる後払いか、PayPalによる先払いかどちらかを選択する事になります。
ここではクレジットカードの設定手順を説明していきます。
項目 | 説明 |
SELECT A PAYMENT METHOD TYPE |
支払方法を「クレジットカード」か「Paypal」から選択します。 |
カード番号 | クレジットカード番号・カード有効期限・ セキュリティコードを半角数字で入力します。 |
Cardholder name | クレジットカード名義を半角英字で入力します。 |
Country | 国名一覧から「Japan」を選択します。 |
Address Line 1 | 市区町村名以降の住所を半角英数字で入力します。 例)1-2-301,Aoba-ku Aobadai |
Address Line 2 | マンションやアパートにお住いの場合は名称と部屋番号を半角英数字で入力します。 例)#201 Aoba Mansion |
City | 市区町村名を半角英字で入力します。 例)Yokohama-shi |
State/Province/Region | 都道府県名を半角英字で入力します。 例)Kanagawa-ken |
Zip/Postal Code | 郵便番号を半角数字で入力します。 例)1-2-301 |
Save Card | 全ての入力・選択が終わったらクリックします。 |
本人確認書類の提出
「Save Card」をクリックすると下の画面が表示されますが、DigitalOceanでは登録を完了させるのに本人確認書類を提出しなければいけません。(これまでは本人確認書類提出の必要はありませんでしたが2020/06辺りから必要になったようです)
「Begin Verification」をクリックして進んで下さい。
次のページで提出する本人確認書類を選択します。
- Passport(パスポート)
- Driver's License(運転免許証)
- Identity Card(その他身分証明)
3種類のいずれかを選択して下さい。
本人確認書類の種類を選択するとこのような画面が開くので「Choose File」をクリックし提出する書類の画像ファイルを選択します。
ファイルを選択すると確認画面が開くので「Confirm」をクリックします。
後は本人確認書類が受理されるまで暫くお待ち下さい。
サーバーの追加と起動
本人確認書類が受理され、コントロールパネルにログイン出来るようになると下の画面が開きますが、この画面内からサーバーを追加していきます。
まず画面上にある「Create」をクリックし、現れたメニューから「Droplets」を選択します。
開いた画面からOSやプランなどを選択していきます。
項目 | 説明 |
Choose an image | OSを選択しますが、本サイトでは「Ubuntu」「Debian」の手順を説明しています。 |
Choose a plan | 「Standard」のままでOKです。 |
本サイトではDebian12/11/10、Ubuntu22.04/20.04の手順を紹介しています。 特にこだわりが無ければ一番動作の軽いDebianを選択してください。 |
|
Add block storage | ストレージを追加する場合はクリック、必要ない場合はそのままでOKです。 |
Choose a datacenter region |
リージョン(サーバー地域)を選択します。 |
VPC Network | プライベートIPアドレスが必要なければそのままでOKです。 |
Select additional options |
追加オプションが必要なければそのままでOKです。 |
Authentication | サーバーへのログインに秘密鍵(シークレットキー)を使わず パスワードを使う場合はそのままでOKです。 |
Create root password |
サーバーにログインする為のパスワードを設定します。 半角英字・数字・記号を組み合わせなければいけません。 |
How many Droplets? |
サーバーの数が1つで良い場合はそのままでOKです。 |
Choose a hostname |
ホストネームを変更しない場合はそのままでOKです。 |
Add tags | タグを付けない場合はそのままでOKです。 |
Select Project | プロジェクトが一つしかないと思うのでそのままでOKです。 |
Add backups | バックアップが必要ない場合はそのままでOKです。 チェックを入れると追加料金が課金されます。 |
Create Droplet | 全ての選択・入力が終わったらクリックします。 (サーバーが起動し課金が始まります) |
「Create Droplet」をクリックするとこのような画面になり数分後に起動が完了します。
サーバーの起動が完了すると上の画面になり、IPアドレスが表示されます。
このIPアドレスをこれから使用する事を覚えておいて下さい。
OSにDebianを選択した場合
OSをDebianにした場合は下記ページでこの後の設定方法を説明しています。
デスクトップ環境はDebian10のみMATEとGNOMEを用意していますが、Debian11とDebian12は動作の軽いMATEのみ手順を紹介しています。
お勧めはDebian12、Debian11、Debian10のMATEになります。(GNOMEは動作が重い)
Debianのバージョンによってコマンド操作が若干変わりますので、必ず選択したバージョンのページのコマンド操作を行なって下さい。(特にWineのコマンドがバージョンによって異なります)
設定(コマンド操作)に掛かる時間はおよそ30~40分程度です。
OSにUbuntuを選択した場合
OSをUbuntuにした場合は下記ページでこの後の設定方法を説明しています。
デスクトップ環境はUbuntu20.04がMATEとGNOME、Ubuntu22.04がMATEのみを用意していますのでお好きなものを選択して下さい。(MATEの方が動作が軽いのでスペックの低いVPSを使う場合はMATEをおススメします)
設定(コマンド操作)に掛かる時間はおよそ30~40分程度です。
DigitalOceanのレイテンシー(遅延速度)
DigitalOceanのレイテンシ(遅延速度)を計測しました。
計測にはLatencyEAを使用しています。
※LatencyEAは実際に注文を出して遅延速度を計測するEAです。
DigitalOceanは世界各地にサーバーがある為、本サイトで紹介している海外FX会社のメインサーバー所在地の中で東京(AXIORY、LandFX、TradersTrust、MyFXMarkets、IS6FX)以外全てを網羅しています。
メインサーバーがロンドンにあるのはXMTrading、GEMFOREX、FBS、Tradeviewの4社。
メインサーバーがニューヨークにあるのはTitanFX、MyFXMarketsの2社。
メインサーバーがアムステルダムにあるのはHotForexの1社。
また、比較のためにMetaTrader画面右下のサーバーステータスに表示されているレイテンシ(PING値)の数値も載せておきます。
計測条件
- OSは全てDebian 10(MATE)
- サーバープランはロンドンがメモリ2GBプラン、ニューヨークとアムステルダムはメモリ1GBプラン
- 計測期間は24時間
- 同時稼働数はロンドン4つ、ニューヨーク2つ、アムステルダム1つ
XMTrading(ロンドン)
計測方法 | 平均遅延速度 | 最小遅延速度 | 最大遅延速度 |
LatencyEA (24時間稼働) |
185 ms | 99 ms | 1,323 ms |
サーバー ステータス |
22.72 ms |
GEMFOREX(ロンドン)
計測方法 | 平均遅延速度 | 最小遅延速度 | 最大遅延速度 |
LatencyEA (24時間稼働) |
287 ms | 77 ms | 6,818 ms |
サーバー ステータス |
6.51 ms |
FBS(ロンドン)
計測方法 | 平均遅延速度 | 最小遅延速度 | 最大遅延速度 |
LatencyEA (24時間稼働) |
240 ms | 69 ms | 14,667 ms |
サーバー ステータス |
3.93 ms |
Tradeview(ロンドン)
計測方法 | 平均遅延速度 | 最小遅延速度 | 最大遅延速度 |
LatencyEA (24時間稼働) |
146 ms | 47 ms | 590 ms |
サーバー ステータス |
3.17 ms |
TitanFX(ニューヨーク)
計測方法 | 平均遅延速度 | 最小遅延速度 | 最大遅延速度 |
LatencyEA (24時間稼働) |
95 ms | 39 ms | 275 ms |
サーバー ステータス |
1.86 ms |
MyFXMarkets(ニューヨーク)
計測方法 | 平均遅延速度 | 最小遅延速度 | 最大遅延速度 |
LatencyEA (24時間稼働) |
120 ms | 41 ms | 1,268 ms |
サーバー ステータス |
2.88 ms |
HotForex(アムステルダム)
計測方法 | 平均遅延速度 | 最小遅延速度 | 最大遅延速度 |
LatencyEA (24時間稼働) |
619 ms | 61 ms | 26,126 ms |
サーバー ステータス |
1.51 ms |
DigitalOceanのLinuxを使う際の注意事項
最安値プランのメモリ1GBプランで可能なメタトレーダー稼働数は1~2個でした。
MetaTrader3つ以上は厳しいです。(3つ目を起動すると固まってしまいます)
メタトレーダー1~2個の稼働でも余裕を持たせたい場合はメモリ2GBプラン以上の方が良いでしょう。
DigitalOcean(デジタルオーシャン)まとめ
DigitalOceanを使用するメリットは幾つかありますが、まずは時間課金で使用できる事。
1時間毎に課金されていくので使用時間が限られている場合や、とりあえず使用感を試してみたいという方にお勧めできます。
また1時間$0.009~と非常にリーズナブルな料金設定になっている事も好ポイントです。
次に$200分のボーナスが貰える事。
使用期限が60日と限られてはいますが、$200あれば様々なプランを時間を掛けて試す事が出来るので是非一度試して頂きたいと思います。
続いてマイナスポイントですが、まずは本人確認書類の提出が必要だという事。
2020年5月辺りまでは本人確認書類の提出は必要ありませんでしたが、現在は必要になっています。
恐らく$200ボーナスを不正に何度も入手する人間が居る為にこのような措置を取ったと思われますが、少々面倒ですし、大事な個人情報なので不安な方は利用をやめた方が良いかもしれません。
また、DigitalOceanでは世界各地のリージョンを使用できますが、日本(東京)リージョンの取り扱いがありませんので、どうしても東京リージョンを使いたいという場合は他のVPSサービスをご利用下さい。
自動売買が可能なおススメの海外FX会社(業者)
当サイト内にてMT4/5が使えるおススメの海外FX会社のスペックや口座開設方法を細かく説明していますのでまだFX口座をお持ちでない方、他の海外FX会社の口座を開設したい方は是非参考にして頂きたいと思います。