このページではDebian 10(デスクトップ環境MATE)でFX自動売買(EA)を稼働させる為の設定方法・手順を紹介しています。
本サイトではDebianの他にUbuntuやCentOSでMT4/5を動かす為の設定方法も紹介していますのでお好きなOSで自動売買をお楽しみください。
当方が試した感じですとDebianが最も動作が軽く、その次がCentOSで、スペックの低いVPSでも大体は使用する事ができました。(どちらのOSも最安値プランだと直ぐに固まって使えないVPSサービスもありました)
Ubuntuに関してはスペックの低いVPSだと使えない(MetaTraderやブラウザを起動するだけで固まる)ケースが多くありましたので、Ubuntuを使用する場合は最低限のスペックが無いと厳しいと思います。
Debian > CentOS > Ubuntu
デスクトップ環境を比較すると、GNOMEよりもMATEの方が動作が軽かったです。
MATE > GNOME
これまで試したOSとデスクトップ環境の組み合わせの中で最も軽かったのが、本ページで説明しているDebianのMATEでした。
恐らくこの組み合わせでダメなVPSは何を使用しても自動売買(EA)を稼働させるのは厳しいのではないかと思います。
尚、当サイトではLinux系のVPS(CentOSやUbuntu・Debian)でEA(自動売買)を動かす事はおススメしていません。(コマンド操作が必要なのと使用できないEAがあったりする為)
どうしても毎月のコストを抑えたいという方以外はWindows VPSの利用を推奨します。
本ページでは、これからDebian 10の設定手順を紹介していきますが、Debian 10を使用出来ないVPS会社があるのでご注意下さい。
本サイトで紹介しているVPSサービスの中でDebian 10が使用出来るのはこちらです。
Debian 10が使用出来るVPSサービス |
Vultr、Linode、ConoHa、さくらのVPS(カスタムOSのみ) |
Debian9や7は使用可能なVPSサービスがありますが、現時点では10のみ手順を紹介させて頂いておりますのでご了承下さい。
ターミナルソフトのダウンロード・インストール
まずはVPSに接続する為のターミナルソフトをダウンロード・インストールします。
ターミナルソフトは幾つか種類がありますが、本サイトでは「Tera Term」を使って説明していきます。
下記のリンクボタンからTera Termをダウンロードします。
開いたら「窓の杜からダウンロード」をクリックし.exeファイルを保存して下さい。(ポータブル版ではない方)
保存先にTera Termの.exeファイルがあると思うのでダブルクリックで開きます。
.exeファイルを開くとセットアップに使う言語の選択画面が現れるので「日本語」を選んで「OK」をクリックします。
続いては同意事項の確認となりますので「同意する」にチェックを入れて「次へ」をクリックです。
次はインストールするコンポーネントの選択ですが、分からない場合はそのまま「次へ」をクリックで進めて下さい。
次はユーザーインターフェイスの言語が「日本語」になっている思うのでそのまま「次へ」をクリックです。
次は追加タスクの選択ですが、分からない場合はそのまま「次へ」をクリックします。
次のページはそのまま「インストール」をクリックです。
これでTera Termのインストールは完了となります。
Tera Termの起動・VPSサーバーへのログイン
Tera Termのインストールが完了したらディスクトップ画面にTera Termのショートカットアイコンがあると思うので起動します。
Tera Termを開くと下の画面になると思うので「ホスト(T)」のボックスにVPSサービスから割り当てられたIPアドレスを入力して「OK」をクリックして下さい。
「OK」をクリックするとセキュリティ警告が現れますが、「続行」をクリックします。
続いてはユーザー名とパスフレーズの入力(秘密鍵の選択)になります。
ユーザ名
まずユーザ名ですが、「root」と入力して下さい。
パスフレーズ
秘密鍵(シークレットキー)を使わない場合は、VPSサービスから発行されたパスワードを入力して下さい。(あるいは自分で設定したパスワード)
秘密鍵でログインする場合は空欄でOKです。
認証方式
パスワードでログインする場合はそのまま「ブレインパスワード」にチェックを入れた状態にします。
秘密鍵(シークレットキー)を使ってログインする場合は「RSA/DSA/ECDSA/ED25519鍵を使う」にチェックを入れて、「秘密鍵(K)」のボックス横にあるボタンをクリックして秘密鍵を選択します。
最後に「OK」をクリックすればVPSサーバーへのログインが完了します。
ログインが成功するとこのような画面になります。
Debian 10でMetaTrader(MT4/5)を動かす為のコマンド操作
VPSサーバーにログインしたら、Debian 10でMetaTrader(MT4/5)を動かす為の設定を行なっていきます。
MetaTraderというのは元々Windows用に作られたもので、DebianなどのLinux系サーバーで使用するにはこの設定が必要になります。
Debian 10の場合は、20分~30分程度掛かりますので時間のある時に行なって下さい。
rootユーザーへの切り替え
先ほどのログインの際にユーザ名が「root」だった場合は必要ありません。
「root」以外のユーザ名だった場合は行なって下さい。
下記のコマンドをコピー・ペーストし、キーボードのEnterを押します。
下記のように先頭が「root」になればOKです。
これでrootユーザーへ切り替えが出来たので作業を進めます。
Debianのアップデート
Debianのアップデートを行ないます。
下記コマンドを「コピー→ペースト→Enter」して下さい。
Do you want to continue? [Y/n] y
アップデート中に「Do you want to continue? [Y/n] y」と出るのでキーボードの「Y→Enterキー」を押して下さい。
この後も同様に”[Y/n] ”を求められる事があるので全て肯定の「Y」を選択して下さい。
Wineのインストール
次にWineをインストールしていきます。
WineとはWindowsのアプリケーションなどをLinux上で使用できるようにする為のものです。
下記のコマンドを1行ずつ実行して下さい。
wget -nc https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key
apt install gnupg
apt-key add winehq.key
apt install software-properties-common
apt-add-repository 'deb https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/ bionic main'
wget https://download.opensuse.org/repositories/Emulators:/Wine:/Debian/xUbuntu_18.04/Release.key
apt-key add Release.key
apt-add-repository 'deb https://download.opensuse.org/repositories/Emulators:/Wine:/Debian/xUbuntu_18.04/ ./'
apt update
apt install --install-recommends winehq-stable
日本語環境にする
今の状態だとDebianは英語になっているので日本語表示へ変更します。
下記コマンドを1行ずつ実行します。
apt install -y ibus-mozc
localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja"
source /etc/default/locale
timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
1行目は日本語パッケージのインストール、2行目はibus-mozcのインストール、3行目はロケールの変更、4行目はロケール変更の更新、5行目はタイムゾーンの変更となっています。
次にMozcのキーボードを日本語に変更します。(これを行なわないと英語キーボードのままになってしまいます)
このコマンドを実行するとMozc の設定ファイルを編集できるようになりますが、下の方に<layout>default</layout>という個所があるので、「default」を「jp」に書き換えて下さい。
キーボードの矢印キーで移動、キーボードの「i」で編集モードに切り替え、キーボードの「Esc」で編集モード終了、最後に「:wq」を入力→Enterキーで編集の保存が出来ます。
デスクトップ環境(MATE)をインストール
次にデスクトップ環境のMATEをインストールします。
下記コマンドを1行ずつ実行して下さい。
apt-get install xrdp
1行目がMATEのインストール、2行目はリモートデスクトップ接続する為のxrdpのインストールです。
ユーザー名・パスワードの作成と再起動
最後にリモートデスクトップ接続する為のユーザー名とパスワードの設定を行ないます。
下記コマンドを入力→Enterキーを押して下さい。
ユーザー名の部分はご自分で決めて下さい。
例)ユーザー名を「meta4」にする場合は「adduser meta4」
Enterキーを押すとパスワードの設定を求められるのでパスワードを入力しEnterキーを押して下さい。
確認の為にもう一度パスワード入力を求められるので同じものを入力しEnterキーを押します。
続いて「Enter the new value, or press ENTER for the default」と表示されますが、全てエンターでスルーして下さい。
全てエンターを押すと「Is the information correct? [Y/n]」と表示されるので「y」を入力→Enterキーを押して下さい。
これで一連のコマンド作業は完了となりますので、この後のリモートデスクトップ接続の手順にお進み下さい。
Debianにリモートデスクトップ接続を行なう
ここからはDebianにリモートデスクトップ接続を行ないます。
Windowsに標準装備されているリモートデスクトップ接続アプリを使った説明を行なっていきます。
説明の画像はWindows10になっていますが、Windows8やwindows7もほとんど同じですのでご安心下さい。
ディスクトップ画面左下のWindowsのマークをクリックしアプリ一覧を開く
ディスクトップ画面左下にある窓のマークをクリックしアプリ一覧を開きます。
「W」の項目に「Windowsアクセサリ」があるのでクリックで展開して下さい。
そうすると、「リモートデスクトップ接続」と書いたアプリがあるのでクリックします。
リモートデスクトップ接続情報の入力(IP・ユーザー名・パスワード)
リモートデスクトップ接続アプリを開くと下の画面が現れるので、コンピューター(C)の欄に各VPSサービスから割り当てられたIPアドレスを入力し接続ボタンをクリックして下さい。
次の画面で「このコンピューターへの接続について今後確認しない」にチェックを入れて「はい」をクリックします。
続いて下の画面になるので先ほど設定したユーザー名とパスワードを入力し、「OK」をクリックして下さい。
Debian 10(MATE)の初期設定
ユーザー名とパスワードが間違っていなければ下の画面になります。
日本語入力(Mozc)の設定
まず最初に日本語入力が行えるようにしていきます。
デスクトップ画面右上のアイコン(下記画像参照)をクリックし、「日本語 - Mozc」を選択して下さい。
これで日本語入力できるようになった筈ですのでキーボードの「半角/全角」キーで切り替えて入力してみて下さい。
画面ロックをオフにする
次に無操作での画面ロックをオフにする方法を説明します。
デスクトップ画面上にある「システム」をクリックし現れたメニューから「コントロールセンター」を選択して下さい。
「コントロールセンター」を開いたら「電源管理」を開きます。
「電源管理の設定」画面を開いたら、「ディスプレイ」項目にある「次の時間、アイドル状態が続いたら画面をスリープする」を「30 minutes」から「確認しない」に変更して下さい。
終わったら閉じて、今度は「スクリーンセーバー」を開きます。
「スクリーンセーバーの設定」を開いたら、「アイドル状態になったらスクリーンセーバーを起動する」と「スクリーンセーバーを起動したら画面をロックする」2つのチェックを外します。
これでスクリーンセーバー・画面ロックがしなくなります。
MetaTrader4/5のダウンロード・インストール
MT4/5のダウンロード・インストールを行ないます。
まず画面左上の「アプリケーション」をクリックし、現れたメニュー内の「インターネット」にカーソルを合わせて「FirefoxESR」を起動します。
Firefoxが起動したらアドレスバーに直接入力して検索します。
それぞれ使用する海外FX会社が違うので、使用するFX会社のホームページを検索しMetaTraderをダウンロードしますが、下の画像のように「Save File」にチェックを入れて「OK」をクリックして下さい。(「Open with」からも実行できますが説明の為に一度保存します)
次にデスクトップ画面に戻り、「〇〇のホーム」を開きます。
ホームを開いたら「ダウンロード」フォルダを開きます。
「ダウンロード」フォルダに先ほどダウンロードしたMetaTraderのexeファイルがあるので、exeファイル上で右クリック→「Wine Windows プログラムローダーで開く」をクリックして下さい。
MetaTraderのインストールが始まりますが、最初に「Wine Mono インストーラ」と「Wine Gecko インストーラ」が現れるのでインストールを選択して下さい。(何度か現れるので都度インストールを選択します)
Wine MonoとWine Geckoのインストールが終わるとMetaTraderのインストール画面が現れますが、下の画像のように文字化けしている部分があります。
とりあえずこのままMetaTraderのインストールを終わらせ、ログインしないで一旦MetaTraderを閉じて下さい。
MetaTrader4/5の文字化け修正
この文字化けは日本語フォントが入っていない為に発生します。
これを改善する為には、日本語フォントをDebianに入れる必要があるのですが、現在使用しているWindowsからフォントをコピーしDebianに移します。
まずは使用しているWindowsパソコンキーボードの「Windowsマーク」と「R」キーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」画面を表示させて下さい。
次にボックス内に「control fonts」と入力し「OK」をクリックします。
フォント一覧が並んでいると思いますがこの中から、「MS ゴシック 標準」「Webdings 標準」「Wingdings 標準」の3つをコピーします。
名前は「Windowsfont」でも何でも良いのでフォルダを作り、この3つのフォントをフォルダへ移動て下さい。
フォント3つをフォルダへ移動したらzipファイルにします。
やり方は、①該当フォルダを右クリック→②「送る」をクリック→③圧縮(zip形式)フォルダーをクリックでzipファイルが出来上がります。
コピーしたフォント(フォルダ)をDebianに移す手段は何でも良いのですが(クラウドに保存、メールの下書き保存など)今回はTera Termを使用した転送方法をご紹介しようと思います。
まずTera TermからVPSサーバーにログインして下さい。
ログインしたら上部メニューの「ファイル」をクリックし「SSH SCP...」を開きます。
すると下記画面が現れます。
From: | ①ボックスの横にあるボタンから先ほどzipファイルにしたフォルダを選択します。 |
To: | ②送り先であるDebian側の保存先を入力します。 例)/home/meta4 ※meta4の部分はユーザー名を入力 |
Send | ③ファイルの選択と送り先の入力が終わったらクリックします。 |
「Send」をクリックしたらリモート接続したDebianの「ホーム」を開いてみて下さい。
Windowsで作成したzipファイルが転送されていると思います。
Sendをクリックすると「scp:~Permission denied」とエラーが出る場合
このエラーはパーミッションの問題のようですが、VPSサービスによってエラーが出る場合があります。(現時点でこのエラーが確認出来ているのは、WEBARENA IndigoとさくらのVPSのみです)
これからこのエラーを改善する方法を説明しますので、エラーが発生していない方はこの後のzipファイルの解凍の項目まで読み飛ばして下さい。
「ホーム」を開きます。
「ホーム」を開いたら空いているスペースで右クリック→プロパティをクリックして下さい。
プロパティ内の「アクセス権」タブに切り替えて、「その他」にある「フォルダーのアクセス権」を「作成と削除」に変更し、「フォルダー内のすべてのファイル権限を変更する...」をクリックします。
これでTera Termの「SSH SCP...」から転送が可能になります。
Tera TermでDebianへ転送が成功した場合はここから続きをご覧下さい。
続いてzipファイルを解凍します。
解凍したいzipファイルを右クリックして「ここに展開する」を選択します。
「ここに展開する」をクリックすると下記のようにzipフォルダが解凍されていると思いますので確認して下さい。
解凍したフォルダ内にあるWindowsからコピーしたフォント3種類をまとめてコピーします。
コピーしたら一つ上の「ホーム」に戻り、上にある「表示」をクリック→「隠しファイルを表示する」にチェックを入れます。
隠しファイルが表示されるようになると「.wine」と書いたフォルダが現れるので開いて下さい。
次は「drive_c」フォルダを開いて下さい。
次は「windows」フォルダを開いて下さい。
最後に「Fonts」フォルダを開いて下さい。
「Fonts」フォルダを開くと何も無い状態ですが、ここに先程コピーしたフォントを貼り付けて下さい。
「Fonts」フォルダに移動するとこのような状態になります。
これでフォント関連の作業は完了しましたので一度再起動を行ないます。
デスクトップ画面左上の「システム」をクリックし、現れたメニューの「〇〇のログアウト」を選択します。
「このシステムからログアウトしますか?」の画面が現れるので「ログアウト」をクリックして下さい。
「ログアウト」をクリックするとOSが再起動するので少し経ってから再度リモートデスクトップ接続を行なって下さい。
再起動後にMetatraderを開くと文字化けは無くなっている筈です。
これで問題なくDebian上でMetatraderを稼働させる事ができると思いますが、初めに書いた通り、EAによってはDebian上で動作しないものもあります。
EAが正常に動作しない場合はWindows VPSを使う、スペック不足ならLinux VPS(Debian)のスペックを上げて使用するようにして下さい。
当方が試してみた感じだと、OSはDebianが最も軽く、デスクトップ環境はMATEが一番軽かったので大体のVPSで問題無く使用できると思いますが、中にはMetaTraderもブラウザも起動できない場合もありますので、一度ご自身の環境だとどうなのかを確かめてから本番運用を行なうようにして下さい。
Debian 10(MATE)でアプリを自動起動する設定
Debianの起動と同時にアプリを自動起動する方法を紹介します。
まず最初にディスクトップにある自動起動したいアプリを右クリックし「プロパティ」を開きます。
プロパティを開いたら「コマンド」をコピーして下さい。
コマンドのコピーが終わったらプロパティを閉じて、デスクトップ画面左上にある「システム」をクリックし現れたメニューから「コントロールセンター」を選択して下さい。
コントロールセンター内の【ユーザ向け】にある「自動起動するアプリ」をクリックします。
自動起動するアプリの設定画面が開きますので「+追加」をクリックして下さい。
「+追加」を開くと自動起動するアプリの追加画面が現れるので必要事項を入力します。
名前(N) | 任意なので好きな名前を設定して下さい。 |
コマンド(M) | 先程コピーしたコマンドを貼り付けます。 |
説明(E) | 特に必要ないので空欄で結構です。 |
+追加 | 名前とコマンドを入力したらクリックします。 |
これで自動起動の設定が完了しましたので再起動しアプリが自動起動するか確認して下さい。
それではこの辺でDebian 10(MATE)でFX自動売買(EA)を動かす為の設定方法・手順の説明を終わりたいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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