このページではVultr(ヴァルチャー)のUbuntu18.04(デスクトップ環境MATE)でFX自動売買(EA)を稼働させる為の設定方法・手順を紹介しています。
Vultr以外のVPSサービスのUbuntu18.04(デスクトップ環境MATE)の手順は下記ページにて説明していますが、VultrのUbuntu18.04はこの手順だと上手くいきません。
その為、Vultr(Ubuntu18.04)でもMetaTrader(MT4/5)を動かせるようにする為の手順を本ページでご紹介していきます。
Vultr以外のUbuntu18.04を使用される方は上記ページの手順にて設定を行なって下さい。
Ubuntu18.04のVultrと他のVPSサービスの違い
他のVPSサービスのUbuntu18.04とVultrのUbuntu18.04では設定(コマンド操作)が異なる事は先ほどお伝えしましたが、同じコマンド操作をするとどうなるのかから説明します。
VultrのUbuntu18.04でこのページのコマンド操作を行ない、リモートデスクトップ接続を行なうと下の画像のエラーが表示されます。
sesman connect ok
sending login info to session manager, please wait...
login failed for display 0
あるいは、下の画像のようにエラーの表示が無く単に青い画面だけが表示されます。
まずこのエラー情報を元に色々調べてみると同じエラーが発生している人が結構いるようでした。
それぞれ解決法が違うようなので順番に色々行なってみたところ解決策が見つかりました。
その方法は後ほど書きますが、リモートデスクトップ接続出来てからも幾つか問題が見つかりました。
- Firefoxが入っていない
- 文字化けしている
- 画面右上がインジケータなしと表示されている
- 右クリックからファイルの解凍ができない
Firefoxはインストールするコマンドが直ぐ見つかったので大きな問題ではありませんでした。
文字化けに関しては解決策を見つけるまでに結構時間が掛かりましたがどうにか修正が出来ました。
画面右上に「インジケータなし」と表示されているのは、文字化けを修正してから分かりましたが、この部分は現在も解決できていません。
まだ調査をしていますが、MetaTraderを動かすのに特に支障はありません。
最後の、右クリックからファイルを解凍できない問題は、対象ファイルを右クリックすると、正常な場合は「ここに展開する」というメニューがあるのですが、そのようなメニューが表示されません。
コマンド操作でzipファイルを解凍すれば良いのでこれも問題ではありませんが、ターミナルも右クリックから表示出来ないのでキーボードのショートカットキーで開く事になります。
これからその辺を踏まえてVultrのUbuntu18.04でMetaTraderを稼働させるまでの手順を説明していきます。
ターミナルソフトのダウンロード・インストール
最初にVPSサーバーに接続する為のターミナルソフトを準備します。
当サイトではTera Termを使って説明していきます。
下記からTera Termをダウンロード。
開いたら「窓の杜からダウンロード」をクリックし.exeファイルを保存して下さい。(ポータブル版ではない方)
保存先にTera Termの.exeファイルがあると思うのでダブルクリックで開きます。
.exeファイルを開くとセットアップに使う言語の選択画面が現れるので「日本語」を選んで「OK」をクリックします。
続いては同意事項の確認となりますので「同意する」にチェックを入れて「次へ」をクリックです。
次はインストールするコンポーネントの選択ですが、分からない場合はそのまま「次へ」をクリックで進めて下さい。
次はユーザーインターフェイスの言語が「日本語」になっている思うのでそのまま「次へ」をクリックです。
次は追加タスクの選択ですが、分からない場合はそのまま「次へ」をクリックします。
次のページはそのまま「インストール」をクリックです。
これでTera Termのインストールは完了となります。
Tera Termの起動・VPSサーバーへのログイン
Tera Termのインストールが完了したらデスクトップ画面にTera Termのショートカットアイコンがあると思うので起動します。
Tera Termを開くと下の画面になると思うので「ホスト(T)」のボックスにVPSサービスから割り当てられたIPアドレスを入力して「OK」をクリックして下さい。
「OK」をクリックするとセキュリティ警告が現れますが、「続行」をクリックします。
続いては下の画面になります。
ユーザ名
まずユーザ名ですが、Vultrの場合は「root」と入力して下さい。
パスフレーズ
Vultrでサーバーを追加した際にパスワードが発行されているのでコントロールパネルから確認して入力(コピペ)します。
秘密鍵(シークレットキー)を使用する場合は不要なので空欄でOKです。
認証方式
パスワードでログインする場合はそのまま「ブレインパスワード」にチェックを入れた状態にします。
秘密鍵(シークレットキー)を使ってログインする場合は「RSA/DSA/ECDSA/ED25519鍵を使う」にチェックを入れて、「秘密鍵(K)」のボックス横にあるボタンをクリックして秘密鍵を選択します。
最後に「OK」をクリックすればVPSサーバーへのログインが完了します。
ログインが成功するとこのような画面になります。
VultrのUbuntu18.04でMT4/5を動かすまでの手順
Wineのインストール
まずはWineをインストールします。
下記のコマンドを1行ずつコピー→ペースト→Enterして下さい。
dpkg --add-architecture i386 wget -nc https://dl.winehq.org/wine-builds/winehq.key apt-key add winehq.key apt-add-repository 'deb https://dl.winehq.org/wine-builds/ubuntu/ bionic main' wget https://download.opensuse.org/repositories/Emulators:/Wine:/Debian/xUbuntu_19.04/Release.key apt-key add Release.key apt-add-repository 'deb https://download.opensuse.org/repositories/Emulators:/Wine:/Debian/xUbuntu_18.04/ ./' apt update apt install --install-recommends winehq-stable |
このパートは5~7行目を追加しています。
この3行を追加しないと最終行で依存関係のエラーが発生し、WineHQを正常にインストールできません。
Do you want to continue? [Y/n]
最終行の途中で「Do you want to continue? [Y/n]」と表示されるので「y」を入力しエンター。
他のプロセスがaptを使用している旨のエラー
3行目~6行目あたりで下記のエラーが出る場合があります。(他のプロセスがaptを使用しているエラー)
このエラーはサーバー起動直後に起こる事があるみたいで、強制的に停止させる事も出来ますが、数分待てば終わるので、このエラーが出た場合は少し時間を置いてコマンド操作を行なってみて下さい。
時間を置いてもこのエラーが出る場合は、下記コマンドを実行し再度試して下さい。(apt関連のプロセスを停止するコマンド)
killall apt apt-get |
Ubuntuのアップデート
続いてUbuntuのアップデートを行ないます。
下記コマンドをコピー→ペースト→Enter。
apt-get update && apt-get upgrade |
日本語環境にする
この設定を行なわないとUbuntuは英語になるので日本語表示へ変更します。
下記コマンドを1行ずつコピー→ペースト→Enterして下さい。
apt -y install language-pack-ja-base language-pack-ja ibus-mozc apt install 'fonts-takao-*' apt-get install unifont localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja" source /etc/default/locale timedatectl set-timezone Asia/Tokyo |
このパートは2行目・3行目を追加しています。
1行目は日本語パッケージのインストール
2行目はフォントがおかしくなるのでフォントの変更
3行目は文字化けの修正
4行目はlocale変更
5行目はlocale変更の更新
6行目はタイムゾーンの変更
Do you want to continue? [Y/n]
3行目の途中で「Do you want to continue? [Y/n]」と表示されるので「y」を入力しエンター。
デスクトップ環境(Ubuntu Mate)をインストール
次にリモートデスクトップ接続する為にUbuntu Mateというものをインストールします。
下記コマンドを1行ずつコピー→ペースト→Enterして下さい。
apt-get install mate-* apt-get install ubuntu-mate-* echo mate-session > ~/.xsession apt install xserver-xorg-core xorgxrdp xrdp |
ここは4行目の「apt-get install xrdp -y」を「apt install xserver-xorg-core xorgxrdp xrdp」に変更しています。
この4行目のコマンドを実行する事で、依存関係の問題でログインできなかったリモートデスクトップ接続が出来るようになりました。
続行しますか? [Y/n]
4行目の途中で「続行しますか? [Y/n] 」と表示されるので「y」を入力しエンター。
ブラウザのインストール
ChromeとFirefoxをインストールするコマンドを紹介しますが、Vultrの1GBプランを使用する場合はChromeをインストールして下さい。
Vultrの1GBプランでFirefoxを開くと即固まってしまい使い物になりません。(2GB以上の場合はFirefox可)
Google Chrome
下記コマンドを一行ずつ入力→Enter。
wget -q -O - https://dl-ssl.google.com/linux/linux_signing_key.pub | sudo apt-key add - sh -c 'echo "deb [arch=amd64] http://dl.google.com/linux/chrome/deb/ stable main" >> /etc/apt/sources.list.d/google.list' apt update apt install google-chrome-stable |
Firefox
下記コマンドを入力→Enter。
apt-get install -y firefox |
ユーザー名・パスワードの作成と再起動
最後にリモートデスクトップ接続する為のユーザー名とパスワードの設定をします。
下記コマンドを入力→Enter。
adduser ユーザー名 |
ユーザー名の部分はご自分で決めて下さい。
例)ユーザー名を「meta4」にする場合は「adduser meta4」
エンターを押すとパスワードの設定を求められるのでパスワードを入力しEnter。
確認の為にもう一度パスワード入力を求められるので同じものを入力しEnter。
続いて「Enter the new value, or press ENTER for the default」と表示されますが、全てエンターでスルーして下さい。
全てエンターを押すと”Is the information correct? [Y/n]”と表示されるので「y」を入力→Enter。
これで一連の作業は完了となりますので最後に下記コマンドを入力しEnterを押して再起動します。
reboot |
Ubuntuにリモートデスクトップ接続を行なう
ここからはUbuntuにリモートデスクトップ接続を行ないます。
Windowsに標準装備されているリモートデスクトップ接続アプリを使います。
デスクトップ画面左下のWindowsのマークを右クリックし「ファイル名を指定して実行」を開く
デスクトップ画面左下にある窓のマークを右クリックし「ファイル名を指定して実行」を開きます。
ファイル名を指定して実行が開いたら検索ボックスに「mstsc」と入力し「OK」をクリックします。
リモートデスクトップ接続情報の入力(IP・ユーザー名・パスワード)
リモートデスクトップ接続アプリを開くと下の画面が現れるので、コンピューター(C)の欄に各VPSサービスから割り当てられたIPアドレスを入力し接続ボタンをクリックして下さい。
次の画面で「このコンピューターへの接続について今後確認しない」にチェックを入れて「はい」をクリックします。
続いて下の画面になるので先ほど設定したユーザー名とパスワードを入力し、「OK」をクリックして下さい。
ユーザー名とパスワードが間違っていなければ下の画面が開きます。
MetaTrader4/5のダウンロード・インストール
MT4/5のダウンロード・インストールを行なっていきます。
まず画面左上にFirefoxのアイコンがあると思うのでクリックで開いて下さい。
Firefoxを開いたらアドレスバーに直接入力して検索して下さい。
日本語入力する場合はデスクトップ画面右上の「JA」をクリックし、「日本語-Mozc」を選択して下さい。
この後はそれぞれ使用する海外FX会社が違うと思うので、使用するFX会社のホームページを検索しMT4/5をダウンロードしますが、ダウンロード時の注意点があります。
下の画像のように「Save File」にチェックを入れて「OK」をクリックして下さい。(Open withからも実行できますが説明の為に一度保存します)
次にデスクトップ画面に戻り「”ユーザー名”のホーム」を開きます。
ホームを開いたらダウンロードを開きます。
ダウンロードフォルダを開くとダウンロードしたMetaTraderの.exeファイルがあるので右クリックし、「Wine Windowsプログラムローダーで開く」をクリックして下さい。
MetaTraderのインストールが始まりますが、最初に「Wine Gecko インストーラ」と「Wine Mono インストーラ」が現れるのでインストールを選択します。(何回か現れるので全てインストールを選択)
MetaTraderのインストールを開始すると、この画像のように一部文字化けしています。
これからこれを改善していきます。(とりあえずMetaTraderのインストールを終わらせて下さい)
MetaTraderの文字化け修正
この文字化けは日本語フォントが入っていない為に発生します。
これを改善するには、日本語フォントをUbuntuに入れる必要がありますが、現在使っているWindowsパソコンからフォントをUbuntuにコピーします。
まず使用しているWindowsパソコンキーボードの「Windowsマーク」と「R」キーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」画面を表示させて下さい。
そしてボックス内に「control fonts」と入力し「OK」をクリック。
フォント一覧が並んでいると思いますがこの中から、「MS ゴシック 標準」「Webdings 標準」「Wingdings 標準」の3つをコピーします。
名前は「Windowsfont」でも何でも良いのでフォルダを作り、この3つのフォントをフォルダへ移動て下さい。
フォント3つをフォルダへ移動したらzipファイルにします。
やり方は、①該当フォルダを右クリック→②「送る」をクリック→③圧縮(zip形式)フォルダーをクリックでzipファイルが出来上がります。
コピーしたフォント(フォルダ)をUbuntuに移す手段は何でも良いのですが(クラウドに保存、メールの下書き保存など)今回はTera Termを使用した転送方法をご紹介しようと思います。
まずTera TermからVPSサーバーにログインして下さい。
ログインしたら上部メニューの「ファイル」をクリックし「SSH SCP...」を開きます。
すると下記画面が現れます。
項目 | 説明 |
From: | ①ボックスの横にあるボタンから先ほど zipファイルにしたフォルダを選択します。 |
To: | ②送り先であるUbuntu側の保存先を入力します。 例)/home/meta4 ※meta4の部分はユーザー名を入力 |
Send | ③ファイルの選択と送り先の入力が
終わったらクリックします。 |
Sendをクリックしたらリモートデスクトップ接続したUbuntuの”「ユーザー名」のホーム”を開いてみて下さい。
Windowsで作成したzipファイルが転送されていると思います。
zipファイルの解凍
続いてzipファイルを解凍します。
冒頭で書きましたが、右クリックからファイルの解凍を行なえないので、ターミナルを起動します。
キーボードの「Ctrl」と「Alt」と「T」を同時に押せばターミナルを起動できます。
下記を入力しエンターを押します。
「Windowsfont」の部分はフォルダ名なのでそれぞれ設定したフォルダ名を入力します。
Windows側からコピー・ペーストする場合はターミナル上で右クリック→「Paste」をクリックで行なえます。
コマンドを実行するとこのようにzipフォルダが解凍されていると思うので確認して下さい。
解凍したフォルダを開き、3種類のフォントをまとめてコピーして下さい。
コピーしたら前の画面(ホーム)に戻り、画面上部メニューの「表示」をクリックし、「隠しファイルを表示する」をクリックします。
隠しファイルが表示されるようになるので、「.wine」と書いたフォルダを開きます。
次はdrive_cを開きます。
次はwindowsを開きます。
続いてFontsを開きます。
Fontsフォルダを開くと何も無い状態だと思いますが、ここに先ほどコピーしたフォント3種類を貼り付けて下さい。
Fontsフォルダに移動するとこのような状態になります。
これでフォント関連の作業は完了しましたので一度再起動を行ないます。
デスクトップ画面右上の歯車マークをクリックし、「Shut Down...」をクリックして下さい。(ターミナルからrebootコマンドでも構いません)
次の画面で「再起動(R)」をクリックすれば再起動が開始するので、少し経ってから再度ログインを行なって下さい。
再起動後にMetatraderを開くと文字化けは無くなっている筈です。
これで問題なくUbuntu上でMetatraderを稼働させる事ができる筈ですが、EAによってはLinux上で動かないものも存在します。
また、起動するMetaTraderの数やEAの数によって現在使用しているVPSのスペックでは足りない可能性があります。
EAが正常に動かない場合はWindows VPSを使用、スペック不足であればLinux VPS(Ubuntu)のスペックを上げて使用して下さい。
それではこの辺でVultr(Ubuntu18.04)でFX自動売買(EA)を動かす為の設定方法・手順の説明を終わります。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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